#2 the HIATUSのライブを観た話。
九月十九日 木曜日
the HIATUS Our Secret Spot Tour 2019
於 Zepp Osaka Bayside
を観に行ってきた話をする。
その前に少し前置き。
the HIATUSを生で観るのは今回が初めてだった。出会いは中学二年生。中学生になってスマホを手に入れた僕はYouTubeのお陰で音楽にのめり込んだ。そんな僕の中学生活を彩ってくれたバンドの1つがthe HIATUSだ。初めて聴いたのは"Something Ever After"。アルバム"Keeper of the Flame"に収録されている、僕が世界で一番美しいと思っている歌である。美しい世界観、力強い歌声にどんどん魅了されていった。後に、ボーカルが細美武士、ELLEGARDENのボーカルであることを知る。(この時の驚き様ったらもう)
去年のELLEGARDEN復活ライブの話もどこかでしたいなぁ。
さて、本題。
the HIATUSのワンマン。ハイエイタスモードの細美武士を観るのは初めてだったし、ミッシェルガンエレファントのウエノコウジ、東京事変の伊澤一葉を観れるという点でもかなり興奮していた。
不穏なSEからそのまま一曲目、最新アルバムから"Hunger"、立て続けに"Servant"。今回のアルバムは、個人的に今までのハイエイタスとは違って、ダークな雰囲気が強い作品に感じた。よってライブでもノリにくいんじゃないか、とか考えていたが杞憂だった。生でこそ感じられる、カラダ中に響く低音、手数多いかつ正確で気持ちの良いドラム、美しいピアノのメロディーに攻撃的なギター。開始二曲目にして早速来て良かった、と思った。
新旧の曲を織り交ぜライブは進んでいく。途中で挟まれるMCでは、ハイエイタスの仲の良さが非常に現れていた。細美武士が各メンバーを紹介して、メンバーが一言ずつ話すMC。平均年齢四十六(?)歳のおじさん五人が幸せそうに話している姿を観て、こんなおっさんになりたいなぁと強く思う。ここでドラムの柏倉が「いつも言い忘れることがあるから、ここで言っておくね。いつもありがとう」と言った。細美武士を始めメンバーは深々とお辞儀。ここにこのバンドの関係性が顕著に現れてるなぁと感じた。ダークな雰囲気や攻撃的な曲が多いハイエイタス。だがその根底にあるのはソングライター細美武士の底知れぬ心の暖かさなのかもしれない。
個人的な話になって申し訳ないが、先程書いた通り僕が初めて聴いたハイエイタスの曲は"Something Ever After"なのだが、今回のライブではこの曲が披露された。「何が永遠に続くんだ」悲観的なタイトルの曲であるが、この曲を披露したのは単にアルバムの雰囲気に寄り添うため、なのかもしれないが、細美武士の「十周年だからなんだ。これからも永遠にハイエイタスは続くんだ」と言わんばかりの意思表示なのかもしれないと、強く感じた。
ライブは終盤。"Insomnia"で場内は一気にカオスな雰囲気に。ハイエイタスの鬼気迫る演奏に会場のボルテージはマックス。ここで披露された"Firefly/Life in Technicolor"では虹色に照らされたスクリーンをバックに、観客のハンドクラップで会場が一体となった。楽しそうにハンドマイクで歌いステージを歩き回る細美武士もこの日1番の笑顔だった。
アンコール。
一日目はチ○ポの皮がむきたでだのなんだのの話で盛り上がったそうだが、ビールで出来上がっていた細美武士が呟く。「俺はあんまり本音は言わないんだけど、お前らにならこの命くれてやってもいい。the HIATUSでした。ありがとう。」この言葉からの"Shimmer"は一層キラキラ輝いていた。
ダブルアンコール。
"西門の昧爽"がジャムセッション形式で披露された。大事に、丁寧にならされる音とは裏腹に、メンバー全員がとても幸せそうに音を奏でる。
「ただ少し笑って ただ少し叫んで ただ少し重ねて ただ少し抱き合って ただ少し許して ただ少し焦がして」
ただ少し優しい夜だった。
読んでくれてありがとうございました。
[次回予告] 九月二十三日 ズーカラデルのワンマンライブに行くのでその時の記録を。お楽しみに。
#theHIATUS #太郎記録